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ポルシェ996,997エンジン異音③

ポルシェの996~997前期、986、987で頻発しているエンジン異音(タンタン音)について

 さて、既にエンジンからエンジンの回転数に比例した異音(タンタン音)がしている場合は、 エンジンのO/Hを実施するしか方法がありません。初期は普通に乗れてしまうのですが、 異音は徐々に大きくなり、白煙などの症状も悪化の一途を辿る事になります。
 この状態でポルシェセンターに持ち込んだ場合は、どの様な対応になるでしょうか?
恐らく、リビルトエンジンもしくはショートブロック載せ替えの提案などになると想定されます。 しかし、このエンジン。また同じ不具合が同じくらいの確率で発生します。
それが、3万kmででてしまったらと思うと、なかなか修理に踏み切れませんね。

さて、異音のエンジンをバラしてみましょう。
これは、シリンダーブロックまで全て分解したところです・・・



これは、不具合車両の1,2,3番シリンダー側です。目立った損傷を確認できません。
ところが・・・



4,5,6番シリンダー側は全て損傷が確認できます。 損傷部分は、シリンダースカート摺動部に縦にスクラッチ傷がついています。



拡大すると、こんな不具合状況です。手で触っても凹凸が分かるくらいのスジ傷が入っています。 この状態ですと、当然ながらピストンも使用不可です。
この様な状態になってしまうケースが多く、PROMODETでは、スリーブ加工を施して復活させます。 スリーブ加工を行いますと、純正のシリンダー内面よりも素材的に強くなる為、再発防止対策としても有効です。 この加工を施したコンプリートエンジン、もしくはO/Hエンジンで、再発したケースは今のところありません。
(なお、シリンダーブロック自体はスリーブ加工以外何も手を加えていません)





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